堺の技

和菓子

堺の技「和菓子」
堺いちでは職人の知恵と経験が生き、匠の技が支える商品を販売しています。

桜、椿、バラ、菜の花に鶴……。職人の手から次々と創り出されていく和菓子の造形に目を見張ってしまいました。道具類もさまざま。刃物の町、堺ならではの製菓用専用ハサミ、羊羹包丁などはもちろん、和菓子専用の数々のヘラ、馬の尾の毛を張った漉し器、どこの家庭にもあるスプーンや箸も使い、柔らかな曲線をつくるために卵をきゅっと押し当てる。圧巻は製菓用ハサミで花びら一枚一枚を切っていく「菊切り」。講習など人前でするときはベテランでも緊張するという繊細な技。見る間に白いおまんじゅうに大輪の菊が咲き誇りました。そんな仕事ぶりを見ていると、最大の道具は指、手のひら。堺の手だと気づきます。  
千利休が大成した茶の湯文化、南蛮貿易によって良質な砂糖や芥子(けし)の実などが集まってきたことが、堺の和菓子文化のベースにあるといわれています。  
丸める、包む、伸ばす、型を抜く……。餡や練り切りといった材料は長く触れていると温かくなるのでスピードが命。さっささっさと手が動き、同じ意匠、同じ分量のものが並んでいきます。季節によって生地の整え方も変わり、生地の柔らかさ加減も手で感じる。手は温度計でもあります。もちろん、繊細な作業と同時に、餅を揉み、餡を練るという力仕事も職人の手の仕事です。

「お菓子で季節を表現するのは世界でも日本だけだと思います。それも少し先取りして店頭に並べる。もう桜の季節か、お彼岸、お盆、お月見、紅葉と暦を知らせる。世界遺産に登録された和食と並ぶ、素晴らしい和菓子文化だと思います」と職人は語ります。
茶席菓子、餅菓子、焼き菓子、もなか、落雁、和風のスイートポテトから飴類まで。熟練した職人の技から生まれる多彩な堺の和菓子が、日々の暮らしに彩りを添えます。

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